小説

□嫉妬よりヤキモチ2
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(ピオニーさん)&ジェイガイ編。



別に、嫌がるところまで探索しようとは思わないしプライバシーだってあるのは承知のことである。
それが恋人でも、友達でも、家族でも・・・どんなに深い繋がりであっても。
苦しみを分かり合っている人たちはその人たちにしかわからない苦しみがある、それを部外者であるおれが同情したところで嫌な気分にさせるだけ、そう割合をつけているのだが。


勢いづいた感情はそろそろ、セキを切ってあふれてきそうだ。





















陛下といるときの旦那(といってもジェイドことだが)をみると、どんなときより自然体、でいるような気がしてならない。
確かに6人の中では最年長であるし、成長しているとはいえまだ、言動等に幼さが残るアニスやその他にも部下たちなどがいると自然体でいるのは無理とは思うが、何も俺の前でも気を落ち着かせない旦那を見ると俺としては少々切ない。

そんなにも頼りないかと自分を見返すがそれは単に積んできた経験と生きてきた歳の違いである。

それに、陛下と旦那は痛みを共有できる仲間だ。

旦那の過去だったり陛下の過去もお互いに知っているから、それは舐めあうことだけにしても痛みを柔らげてあげることができるのはお互いでしかない。
それなりに陛下との繋がりもあるが、あれでいて自分の辛さや過去を見せるような人ではない。
ジャンルは大いに違うとはいえ、旦那も陛下も似たような人ということだ。


ただ、違うのは陛下は人に甘え、甘えられるのが得意な方だが旦那は違う。あの人は不器用だ。

その時誰が甘やかし、甘えるかというと陛下なんだ。


あの二人の間に、俺は入れない(なんというか壁を感じる、)と思うことが結構ある。









自分の中の理性が、この感情が醜いことだとは、思ってるんだが、な。

人の欲は際限なく溢れるものだ、とそう痛感した。

堕落してゆく俺を、何より俺自身が一番痛く身に感じていた。









「ガイ、どうかしましたか?陛下との打ち合わせは終わりましたので後は面倒な仕事を下に回しましょうか。」

「あぁ、そうだな。はは、相変わらず旦那らしい。」


まぁいつものことだがすらっと怖いことや毒を吐くことが多いためガイは少し苦笑いで先を歩くジェイドに付いて行った。
気付かれないですんだかと思ったが、廊下での別れ際に、私に隠し通せるとでも?私には通じませんよ、と言われてやはりばれていたか、とため息をはいた。

少し冷や汗が出て冷静にそうかい、と返しておいたけど、正直この事を尋ねられたらどう答えるものかと悩んでいた。

普通に正直に話すのが無難だと思われるが、大の男がこんな独占欲にまみれた事を打ち明けても旦那に呆れられ嫌われるだけだろうとそれは戸惑われた。
だからってルークのことが心配だと嘘をついても隠し通せる自信もない。なにより俺はウソが苦手だ。


ここで恋人に自分の感情を隠そうと必死になってる俺をルークがみたら、
いつ死ぬかわかんねぇんだから生きてるうちに自分の気持ちは思いついたらすぐいったほうがいいと思う。
と言うより恋人に遠慮するなんて方がおかしいだろうなんて純な感想を言うのだろうか。


アッシュとルークが混合したとは言え言うことはずっといたルークとあまり変わらなくて少し、ほっとした。


でももう少しで旦那には木っ端微塵にされるだろうし、心の準備をしておかなきゃな、と今日何度目かのため息を吐いた。


















「・・で、私にずっと黙ってるなんてことはありませんよね〜?」

旦那の声が明るいのがすごく怖いんだが。


「だって私たち恋人ですからね〜アハハ」

・・・満面の笑みなのが、こ、怖い。

旦那は椅子に腰掛けている俺の周りをカツカツをブーツの音を響かせながら歩いている。
笑っているのが俺にはとても怖く思えた。
ここまで来るとあまり怒らせないために言ったほうがいいのか、と思うが、旦那に呆れられるとどうしようなんて考えが浮かんで苦笑いを浮かべて誤魔化すことしかできなかった。

俺が戸惑っていると、旦那は急に回るのをやめて俺の顔をガッと掴んできた。
・・少し痛い。




「バカですねぇ貴方は。あなたが今、胸に抱えている想いを打ち明けて、私が引くとでもお思いですか?」

「ならバカな考えは捨てなさい。貴方はもっと私に甘えるべきだと思いますがね。」


・・・貴方は自分の気持ちを押し込めすぎです。
押し込めすぎるとパンクしちゃいますよ


そういわれて、揺れ動いた。
言ったら引かれるかもしれないが、俺が旦那に頼って欲しかったみたいに旦那もそんな思いでいたのかもしれない。
・・・・言ってぶつかって楽になって。それでも恋人だったら最高じゃないかと思った。





























「・・・それだけですか?」

「はい?」


旦那にすべてを打ち明けた俺は、少しその場の勢いで言ってしまったことに少々後悔しながら旦那の返事を待っていたが・・帰って来た返事は俺が想像していたものとは大いに違いすぎて少しアホらしい声を出してしまった。

良い方向に、違っていて良かったな、と思いつつ。



「貴方ねぇ。・・・・可愛いところあるじゃないですか」

「・・・・なんだって?」

どうせならもっとわがまま言って困らせてくれてもいいんですよ、あぁ、もっと自分の気持ちを私に伝えてくれると助かりますね、部下に八つ当たりしなくても済みますので♪


そう言い切ると俺をみた。
あぁ、・・・俺のいつもの悪い癖、俺はいつの間にか隠すことに慣れていたのかもしれない。
自分の気持ちは誰にも知られてはいけない、知られてはいけない以前にあの姉上がいたころの楽しかった日々が奪われてからは・・・話せる相手もいなかった。

甘えることを忘れていた俺にまた甘えることを教えてくれた気がする。

姉上、俺は今日、甘えることを覚えました。











「旦那、あんたはどうなんだ?アレを聞いて、どうしようもないのはわかってるが、流されたような気がしてね」

「あぁ、確かにあの方が欝になってるときには私しかいないもので私が駆けつけますが・・・私が欝になってるときは今度からはガイが来てくれるのでもう安心ですね。」


あのかたがいるとうるさくてかないませんよ、そういうといつもの眼鏡をあげて、陛下をいらっしゃるときに見せるような(でもまだ少し固いけれど)笑みを見せてくれた。

こうやって近づいていくんだな、ぶつかって仲違いしてもいいんだ、だけどその後どうなるかが重要でこうやってまた深まることができたなら。


「ガイ、これからずっといる時間も長いでしょうし、私の過去について少しづつお話します。焦らないでいいでしょう」

「もちろん。ひとつでもいい、陛下や誰も知らないことを一つだけ教えてくれれば。」

「それは、」














「         、        。・・・です♪」




「!!」




















































そうして驚いた後の愛の囁きに対して真っ赤になった俺の耳をペロっと舐めた。


何て言ったかは、一生、俺だけしか知らない。


















俺は人の欲は際限なく溢れるものだ、とそう痛感した。
だけどそれをぶつければ何分かは軽くなる。
俺にはぶつければ、受け止めてくれる人がいる。
そうやってぶつければぶつけるほど、欲は薄くなった。
そうしてまたその先に対する欲が生まれるかもしれない、そうしたらそのときは。
またぶつければいい。
それがすべて叶わなくても、愛が深まって幸せと感じたら、それは、最高じゃないか。

















なんとな〜く。で書きました。
ガイじゃなくても陛下とジェイドの間には入れませんよね〜。
これは別に友達の体験談ではないのですが友達から聞いた話が元ネタとなっております。
まぁ、いいんじゃん?ということでジェイガイっぽかったので書かせていただきました。

残念な小説をみてくださりありがとうございました。

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