小説
□嫉妬よりヤキモチ
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ティトヴェイ編〜☆
「ってこの前のユーリとフレンの喧嘩どうして収まったか知ってる?・・それがフレンはユーリのために色々やってたらしいよー!」
「・・あぁ、そうか・・。」
「って・・・ヴェイグ、聞いてる??」
「あぁ・・・」
「ダメだこれ・・・僕の話聞いてないよ」
マオが呆れたように言うと、アニーやユージーンも困ったようにティトレイの方を見た。
ヴェイグの様子がおかしければまず疑われるのがティトレイ、という法則が出来ていた。
大概はどっこいどっこいで収まるのだが、今回のことについてはティトレイも何も知らないので、いつものように困った顔でマオたちと同じようにアイコンタクトでため息をついた。
本当にいきなりのことで、普通に過ごしていたらヴェイグがいつの間にかこんなふうにうわの空で・・・周りから見た感じだとティトレイをあからさまに避けている。
でも本人にはわからないといわれ、マオやアニーたちはこの重々しい空気の中にいるか、これをどうにかして解決するか・・このどちらかしか選択技はなかった。
・・・なら二番目の選択技だろう。
「ねぇ、ヴェイグ、僕とでかけようよ!最近パーティ出てないし、久しぶりにネ♪」
「・・あぁ・・、そうだな・・なら準備をしておいたほうがいいな。」
「う、うん!じゃぁグミを多めに買ってくるヨ〜」
そうしてマオとヴェイグはどこかに出かけた。
修行と名付けているものの、ヴェイグのこの原因について探るつもりだろう、アニーはうまくいくことを願うことしかできなかった。
「・・・で。ティトレイ、お前に心当たりは本当にないのか?」
ユージーンの鋭い視線が痛い。
「本当に何もしてねぇよ!普通に過ごしてたらあんな風になっててよ・・・俺だって心配なんだよ!俺以外の奴のこと好きになったんじゃないかって!」
「・・本当ですか?最近ヴェイグさんとずっといてあげてましたか?」
そのことを言われて、ティトレイは考え始めた。
手をアゴに当てて目をつぶるのがティトレイの癖で、何かを考えている証拠だ。
・・そうして、ちょっと思いあたるのか、
アニー・・もう少し思いあたる事を言ってくれ、とさっきよりかは少し真っ青にさせて問いて来た。
最近といえば、ティトレイさんとスタンさんとかと仲良くされていたこと・・?
そのことや他にも思いあたる事を伝えると、ティトレイはやっぱ俺のせいかよ!と声を上げながらヴェイグとマオの後を急いで追いかけた。
ユージーンはでかしたぞアニー、と呟いた。
「ヴェイグ、しっかり!」
戦闘を重ねたけれど前衛であるヴェイグに気合いが入ってないため、後衛に敵が回ってきてさっきから大変だった。
フレアショットで倒すと、ヴェイグを連れて比較的安全地帯へ移動し、そこにある大きな岩陰に隠れてヴェイグにグミを渡した。
やっぱりこんな状態で戦闘にくるのが間違ってたな、とマオは後悔した。
マオは疲れていたため、どちらも口を開かず沈黙が続いたが、沈黙を破いたのは意外にもヴェイグの方だった。
「・・マオ、親友って一体何なんだ。軽いものなのか?」
「えっ?」
ヴェイグは真剣な顔でそうマオに告げた。
マオは一瞬きょとんとしたが、どうしてそう思ったの?と尋ねたらヴェイグは頭に手を翳して、(これはヴェイグが考える時の癖。)少し間を置いてから僕の質問に答えた。
「・・スタンにも、親友と言っていたんだ。だから、そう簡単なものなのかと思った。」
「うん・・それで?」
「ティトレイにとって俺はなんなのかわからなくなった」
「・・・それ、親友って言うのかなぁ?」
「・・・・どういう、意味だ・・」
マオはう〜んと頭を捻って、ヴェイグにもう一度質問した。
「えっと、ヴェイグとティトレイって付き合ってるでしょ?ちゅーとかしたりするよネ?」
ヴェイグは唖然といていたが、少しすると顔を真っ赤にさせてそれは・・と口をどもらせた。
ヴェイグがこんな反応をするということはつまり、そういうことだ。
聞きたくないけど、夜そういった声が聞こえるのも確かだし、間違ってはない・・と思う。
「ヴェイグ、そういうの、なんていうか知ってる?」
「・・・親友、だろう?」
「ち、ちがうよ!!」
マオはヴェイグの答えにブッと吹くと、真実を教えてあげた。
恋人・・・か、
親友、だけど、その前に恋人でしょ?
つまり!ティトレイにとって、親友であり、恋人であるヴェイグがイチバン!!なんだヨ♪
「・・・なら、悪いことしたな・・」
「アハハ!ヴェイグとティトレイはこうじゃなきゃネ♪意外とぶきっちょだネ!」
「・・・不器用でわるかったな。」
軽口を叩けるまでに回復したヴェイグに僕はトドメの一撃を差すことにした。
これもアニー、やボクやユージーンを悩ませた罰、として・・・。
「ヴェイグそれ、ヤキモチ、って言うんだヨ♪」
「ふぅ・・・探しても見つからなかった・・・ってヴェイグ!!!帰ってきてたのか?!」
「えぇ、さっき。・・じゃあマオ、ユージーン、買い物に行きましょう?」
アニーがそう声をかけると二人とも返事をして部屋を出て行ってしまったのでどうしようかと悩もうとした・・・がすかさずティトレイはスマン!!と謝ってきた。
俺はびっくりしたが
ほったらかしにしてすまなかった!!俺はヴェイグが一番好きだからな!!
そういわれて、頭を抱える羽目になった。
こいつの陽気さには呆れる・・だが、悩みも嫉妬も全部吹き飛ぶ・・・
呆れと愛情の狭間で俺はティトレイにキスをした。
「ティトレイさん?ヴェイグさん?帰ってきました…けど…」
アニーが恐る恐る扉を開いて中に入ると、仲良く寝ている姿が目に入ったので、マオと安堵の息を吐いた。
そしてヴェイグのあの不機嫌の理由は、マオによって翌日ティトレイに伝えられた。
その後のヴェイグが照れながら機嫌を損ねたのは言うまでもなかった。
とある友達の鈍感カポー!
外国人と日本人ですよ^^
外人さんは私の友達のことを恋人と思ってたんですが、友達は外国人さんのことが好きだけどそれを親友の証だと思ってたらしいです。
外国だと親友にするからね、普通に。
んですれ違った結果、上記のヴェイグとティトレイみたいになりました。