BLEACH 死神篇(仮)
□第2話 Progress
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「おっはよう黒崎くん!!」
「おう。おはよう井上。」
「おっはよういっちぐぉぉ…グフッ」
「お〜う。」
登校すると、友人たちはいつものように声をかけてきた。
隣の席は…空いたままだ。
「朽木さん、今日も休みみたいだね。」
「あぁ…井上、ルキア見てねぇか?」
昨日、一通り霊圧を探ってみたが、学校の裏手の神社のあたりでふっつりと途切れていた。
「見てないよ。どこ行ったんだろうね…」
織姫と茶渡と石田にも頼んで探してもらった。これだけ探していないのだ。
尸魂界にいるのだと考えるのが自然なのだが…
「一護に何も言わずにあっちに帰るなんてことがあるんだろうか。」
茶渡の呟きに答えるように、織姫が頭をぶんぶんと振った。
「そうだよ。浅からぬ縁というか…同じ鍋の飯を食った仲というか…」
「「井上、それを言うなら同じ釜の飯だ。」」
一護と茶渡の声が重なり、織姫と三人、思わず顔を見合せたた。
しかし、別に笑いが起こるわけでもない。
「あ…ごめん。」
「いや。」
途中でノリのいいルキアの突っ込みがないと、普段の会話もどこかぎくしゃくする。
気まずさから皆黙り込んでしまったところで、担任が勢いよくドアを開けた。
ざわざわとしていた教室が、独特の朝の気だるさに満ちていく。
「さぁお前ら!!未来には希望が溢れてるんだ!」
その後の話は全く耳に入ってこなかった。欠席の生徒に関する説明を省きがちな担任教師の性格を恨みながら、一護はぼうっと視線を校庭の方になげる。
砂ぼこりが舞っていた。
…ルキアのやつ、まぢでどこ行きやがったんだ
授業中も悶々としていた一護は、その日1日何をしても上の空だった。