オリジナル

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「起立、礼」

「李空っ!」


授業が全て終わり、委員長と思われる名前も知らない奴が声を発して皆が礼をした時点で今日の学校は終了。

がやがやと騒がしくなる中で、牙が笑顔で駆け寄ってくる。


「李空、帰ろ」

「ああ、…橘は?」

「神流と予定あるからってもう行った」

今ではきっちり橘と神流の名前を覚えた牙はドアを見ながら言った。


「じゃあ行くか」


机の横にかけてある指定鞄を持ち、牙と一緒に教室を出る。

廊下の端などから投げられる視線に牙は気にも止めていない。


「…なあ、牙」

「なに?」


柔らかな笑みを向けてくる牙に少し罪悪感が芽生えた。


首を傾げる牙に「部屋に着いてから」と伝え、足早に歩いた。





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