オリジナル
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戒Side
弘人は、前々から李空がリアなんじゃないかと言っていた。
俺は、そんなことはないと。弘人の予想は予想に過ぎないと。
弘人の質問に頷いた赤石。
赤石が言うのなら、それは真実になる。
驚愕した。
こんなに近くにいたのに。
俺は気付けなかったなんて。
「…クソが」
リアが好きだ…と、告白した。
好きな奴が変装している程度でわからなかった自分を殴りたくなる。
…でも、言い訳にすぎないかもしれないが、俺は李空のことを心の隅で好きだと想っていたと思う。
─アンタ、穂積の事どう思ってる?
前に赤石から言われた言葉。
それに俺は何も返せなかった。
俺はどこかで想っていながら、リアだけを好きでいたかったのかもしれない。
李空の存在を、否定してしまったのだ。
ガラリと勢いよく2年C組のドアを開けた。
あまりの音の大きさと俺の登場にざわざわと騒がしくなる教室。
その中で、窓際の席に座り驚いてこっちをみる李空を見つけた。
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