オリジナル
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俯く牙を宥めるような頭を撫でながら言う。
「赤石は組織の一員で生徒会員だ」
「…それだけの関係、だよね?」
「…え?」
悲しみを帯びた鋭い視線が俺に向けられる。
牙の問いかけに、俺は動揺した。
そのことに自分でも驚く。
「……うん、それだけ」
なんとなく牙の目を見れなくて、視線を布団に落とす。
それが気まずくて、ベッドから出て寝室のドアを開けた。
「ほら牙、学校遅れる」
「……うん」
納得していない様子だったが、気づかないフリをしてリビングに向かった。