オリジナル
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牙Side
嗅覚を擽られ、目を開けた。
「…ソファ?」
ソファに寝ていること、毛布がかけられていることを知り、記憶を探る。
「…李空」
そういえば、李空が知らない男を連れてきて自分は泣いたことを思い出す。
そして、そのまま寝てしまったのだ。
毛布をかけてくれた優しい李空に顔が綻ぶが、男のこともあってかすぐ無表情になる。
「愛されてんなァ」
「!」
俺と李空以外の声が聞こえて、すぐに身構えた。
声の発生源地は、キッチンだ。
そっちを向くと、窓から差し込む朝日の光に照らされている男を見つけた。
…昨日の、男。
眉間に皺が寄ってしまうのは、仕方がない。
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