オリジナル

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生徒会には、戒がいる。

今は絶対に会いたくない皆に悪いが部屋に戻りたかった。


「お、俺部屋で食べようかな…」

「何言ってんだよここまできてー!」


橘に背中を押されて食堂に入る。

橘と神流と牙が来たというのに、食堂の生徒は3人に目もくれず注文口の方を見ていた。

つられて目をやる。
そこには見慣れた横顔があった。


戒…っ


「早く頼もー」


俺の腕を掴んで橘が注文口へと向かう。


馬鹿、待て、今は駄目。
今行ったら―


「あ、李空君?」


―…気づかれた。


「こ、こんにちは…」


話しかけられてしまったものは仕様がない。
橘を静かに恨んでから、目の前の水無月に笑い掛ける。


「何してんだ、弘人」

「あぁ、戒」


お盆を2つ持った戒が水無月の隣に来る。
…ああ、


「なんだ、お前か」

「っ、」


金色の眼に見られて、思わず目を逸らした。
こいつに…、戒には、気づかれたくなかった。


「あ、そうだ。ねえ、良かったら一緒にご飯どう?」

…嫌。無理。絶対嫌だ。
ボロ出る。
2人相手とか死ぬ。


「遠慮しま…

「是非っ」

……橘くん。
…もう殴って良いかな。





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