オリジナル
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「………なに、これ…」
リビングに辿り着いた俺は目を見開いた。
テーブルの上に、まだ湯気の上がっている朝食が置かれていたのだ。
「…だれ、が」
一瞬牙かと思ったが、牙は確か料理なんて出来なかったはずだ。
そうすれば、浮上してくる人物は一人しかいない。
「…李空」
「…牙、これって…」
「……」
リビングに牙が入ってくる気配がし、疑問を問う。
無言が返ってきて、肯定と受け取った。
「……上手、だな」
見ていると食欲をそそられる旨そうな和食だった。
「………りあ、く」
テーブルの上を見て優しい笑みを浮かべた李空にひどく心が痛んだ。
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