オリジナル

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リビングを通ると牙がソファの上に膝を立てそこに顔を埋めて丸まっていた。


「…牙」


傍に寄り、背中に手を当てながら名前を呼ぶ。

牙はゆっくりと顔を上げた。


「…李空、」


何か言いかけて口を開いた牙だが、しょんぼりと俯いて口を閉じた。


「どうした、何?」


なるべく優しい声音で問いかけると、突然暖かい温もりに包まれる。


「…お、れ…全部知りたい…っ、り、あくの事…、」


泣き出してしまった牙の背中を抱きしめられながらぽんぽん、と叩く。


「う、ざがら…な、でっ…、」

「そんな事思わない」

「…わ、がまま…で、ごめん…なさいっ」


放っておくことが出来なくて、泣き止むまでこの温もりを堪能することにした。




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