オリジナル

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―数分後、やっと戒の笑いが止まった。


「…はぁ、こんな笑ったのは久し振りだ」


…そういえば俺、初めて戒の笑い顔見たかもしれない。


「…変わってますね」

「そうか?」

「はい」


いきなり笑い出すなんて。
…まあ、貴重な瞬間を有難うとでも思っておくか。


「で、弘人が何だ?」

「…大した事じゃありません」

「言え」


すっかり元の表情に戻った戒はムカつく命令口調で言った。


「“情報”とか言ってたのが気になって」

「…“リア”という奴を知っているか?」


……は?


「暗殺者だ」


…俺の事、言ってんの?


「赤い髪に紅い瞳。“情報”は、リアが今日姿を現すという内容だった」


…何で漏れてっ
……いや、それより何故リアの情報を手に入れる必要がある。

…意味がわからない。

「…顔は、見た事が?」

「じっくりは無いな」


…これから気をつけないと。
戒に穂積 李空だと知られたらどうなるか。


「――電話、」

「はい?」

「しなくていいのか」


ああ、忘れるところだった。


「では、失礼します」

「ああ」


屋上から校舎内に入り、人気の無い場所で電話を掛ける。





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