Nobel

□本当の気持ち
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「…一つ、お前に聞きたいことがあるんだけど」


俯いていた顔を上げると、紫色の目と視線がぶつかった。


「私にか?何だ?」


真っ白で無垢な…綺麗なお前。




「…やっぱいいや」


「ヒノエ?」





―“敦盛は、俺のことをどう思ってんの…?”―





ずっと疑問に思っていること。

今日こそは聞こうと思っていたのに、口にすることは出来なかった。

代わりに溜息がひとつ。

俺、女々しいな…。

今までこんなことなかったのに。

どんな姫君だって、必ず手に入れてきたし、自信だってあった。

それなのに…。

ま、それだけ大切な存在ってことなのかな…?

「…や、もう夜も遅いし帰ろうぜ」

「…あ、ああ」

不思議そうな顔をしている敦盛に微笑みかけて、手を取って帰路についた。
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