君と僕の物語
□私
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「白蘭様……お聞きしたい事があります。
何故、危険を侵してまであの女にご執着だったのですか?」
1人の部下の言葉ににっこり微笑みながら彼はこう言った。
…───彼女を愛していたから。
あるパラレルワールドで出逢った1人の大学生。
一目惚れだった。
優しくて皆から頼りにされていて彼女の周りに人が絶えた事はなかった。
けれどもその中でいつも隣に決まっている男。それがスペルビ・スクアーロだった。
「白蘭っ!!この前言ってた本なんだけどね……」
たまに話すだけで良かった。
だけど彼女は死んだ。
死因はスクアーロの浮気による自殺。
心臓を刺していた。
それから僕は色々なパラレルワールドへ行って彼女を探した。
けれどその時にはもう全てのリラは亡くなっていた。
どの彼女も死因は色々だが心臓によるものであった。
どこであれスペルビはリラの愛する彼氏であった。
けれど、あのボンゴレリングがあるところにあの探し求めたリラがいた。
生きていたのだ。それもスペルビと結ばれていなかった。
彼女は大学生ではなく暗殺者で、性格も全く違っていた。
でもスペルビを愛していた。
性格は違っても見ているうちに“彼女”を好きになった。
そこにいたのは異端者だった。
本来いてはいけないもの。
それに目をつけた僕はりなに接触した。
彼女はスペルビ・スクアーロが好きらしい。利害条件が一致した僕達は手を組む事となった。
リラに手紙を置いていたのも、りなだ。
りなは良い駒だった。
結局、彼女は死んでしまった。
勿論、心臓を刺されて。
これが運命というのなら僕はそれを受け入れよう。
いや、僕は嬉しかった。
死んだ理由が僕が企てた計画だったから。
狂った恋愛感情。
欲を言うならば僕の手で殺したかった。
「ねぇリラチャン?
最初はキミを“彼女”として愛してた。
でもいつの間にかキミを好きになっていたよ。」
【白蘭】