君と僕の物語
□は
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斬った瞬間の感触、飛び散る鮮血。崩れ落ちる、大切な唯一の幼なじみ。最期に見せた儚い笑顔。
全てが俺の心から焼き付いて離れない。
忘れてはいけないんだ。
それがお前が俺に与えた“罪”なのだから。
例えば、
俺に隠すように置いてあった大量のサプリメント。
リラに対する違和感。
本当は気付いてたんだ。
それに俺達、ボンゴレを裏切ってない事ぐらい分かる。
だって何年一緒にいたと思ってるんだ………。
「何故、俺を頼らない?」
「お前にとっての俺は必要ないのか?」
…──ずっと信頼しあってると思ってたのは俺だけだったのか?
こんな事態だからこそ、頼って欲しかった。「弱音を吐いてもいいんだ」と言いたかった。
そんな事を考えるうちに彼女の顔を見ると悲しくなった。
だから辛く当たってしまった。汚い言葉で罵った。
よーく考えれば、リラは一度も弱音を吐いた事がなかった。どんなに辛くても「大丈夫だよ」と笑いかけてくれた。
他人に心配をかけたくないプライドの高い女だった。
なんで、今更気づくのだろう?もう後悔しても遅いのは分かってる。
「もう一度、会いてぇ…!!」
大事な相棒兼親友。いつから俺達は変わってしまったんだろう?
出逢った日ようなあの透き通る風の中で、やり直せるのなら
絶対にお前を離さない。
それが叶わないとしても願わずにはいられないんだ。
【スクアーロ】