結晶

□きみの名を呼び続ける
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今、私は此処にいる。
この足で立っているんだ。

生活にも死と隣り合わせな事を除けばかなりの余裕がある。








……どんなに頑張っても足りないのは君だけなんだ。






いくらイタリアで君の名前を呼んでも、返ってくるのは“お前は化物”と自分を呪うもう1人自分の声。


でも私自身のこの声は今でも……ずっと呼び続けてるよ。届くように…───。

繋がるように…───。
君の名前を何度も。






どれだけ叫んでも想いは届かない事なんて解っている。とっく理解しているんだ。


まるで私じゃないみたいに君を呼ぶ私は声帯は破壊され“音”は出ないことも。

1人、イタリアの町を巡回する歪な存在である事も。


結局は自分が起こしてしまった事のせいで色々な人の人生を狂わせてしまった…




「ごめんなさい…」

「急に言われても困る!
なんとか言えよ!!ぉぃ…。」




……ャメテ…

もうヤメテ……
何度も繰り返されるあの時の風景。


なんで私はあんな選択をしてしまったのか…

それは自分自身ですら分からなかった。



「ディーノ…!」


これが最後だと心に決め、弱々しく呼んだ彼の名前。



意識が途絶える寸前…

彼の金髪が見えたのは私のが生み出した幻覚。




────────
[裏設定]

二重人格。
ディーノに愛されてた主人公。
ディーノを愛したもう1人の自分。

もう1人の彼女は自分を見てくれない事に怒り、暴走して自分達の体を壊したんです。

20110619



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