君と僕の物語
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ザンザス様が私の監視としてスクアーロと私の部屋を同じにした。
プライバシーも何もないわよ。
任務から帰ってきた彼が、私に目もくれず隣のベッドで眠り始めた。
よほど疲れたのね……
そっと歩みよって銀の綺麗な髪を撫でる。
昔よくこんな事されたな……
あの時はスクアーロが髪短くて、私が長かったのか。
今とは正反対だね
「………ねぇ、スクアーロ?
私、出会った時から貴方の事好きだったのよ?
鋭い癖にどこか鈍感だったから気付かなかっただろうけど(苦笑)」
聞いてないのも分かってるし
報われないのも分かってる。
でも今しかないのよ。
「ずっと好きだったの。」
長年の想いを告げた時、涙が溢れだした。
ポタッ
スクアーロの顔に涙の雫が落ちる。
そっと拭ってから、彼の唇に私のを重ねた。
(初恋は本当に実らないのね)
(さよなら。)
(1人の女が見ていたのも知らずに)