バレンタイン
□バスのお兄さん
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「次は、春ヶ崎、お降りの方はお知らせ下さい。」
車内アナウンスがまた流れる。お兄さんは、急いで難しそうな教科書はかばんにいれ、
あわてて立ち上がった。
そのとき、
お兄さんは前に立っていた私を見て「座りますか?」という視線を投げかけた。
私はビックリし、あわてて頭を下げた。
お兄さんはそのまま降りていった。
優しい・・・
私はそのお兄さんのことが気になり、窓の外を見たけど、お兄さんを見ることはできなかった。
少しの間の出来事なのにとても印象に残った。これが、春ヶ崎高校のお兄さんとの出会いだったんだ。