【 恋心ヴィーゲンリート 】

□【冒険の記録2:方針を“君”へ】
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時は同じ頃。

世界各国の陸地や海で、そのニュースが瞬(またた)く間に広がっていくなか、麦藁海賊団の船にも、同じ内容の新聞が、空から降ってきた。


最初にソレを手にしたのはナミ。

彼女は突然の号外に首を傾けたが、その内容を見た瞬間、驚きのあまり口を大きく開けてしまった。


周りの仲間たちも、新聞の中身に興味を持って集まり出す。

ソコには、赤い太字の見出しで、写真と共に派手に書かれた記事が載せられていた―…。





【伝説は生きていた!?】

今日(こんにち)、東の海[イーストブルー]にて、“破滅の巫女”の姿を発見!






ナミ「東の海[イーストブルー]に…ツバキが現れたですって!?」

ウソップ「おおおおい
     ツバキが見つかった場所、オレ達のいるココから近くないか!?」



記事の内容に、ナミとウソップが「信じられない」とばかりに驚く。



サンジ「ああ!
    何って運命なんだあぁ
    ツバキちゃんとの出会いは、もっと先になるもんかと思ってたが…!」



目をハートの形にしたサンジは、面白いぐらいに体をくねらせる。

確かに彼の言う通り、こんな所でツバキと接近することになろうとは、誰もが思ってもいなかった。


とは言え、偶然ということで片付けてしまえば、そうなのかもしれない。

だけど、もしかしたら…本当に―…。



ゾロ「(運命、ねぇ…)」



ゾロは、サンジを鬱陶しそうに横目で一瞥(いちべつ)しながら、新聞に載せられているツバキの写真を見やる。

ソコに写っていたのは、サラサラの長い髪をした、美しい娘だった…。


『“破滅”の巫女』、なんて通り名を背負っているものだから、どんな者かと思いきや…。

その姿は、清楚で女性らしく、何処となく儚げで、ゾロはイメージの違いに少し驚いた。



ゾロ「(へぇ…コイツが『ツバキ』、か―…)」



綺麗だな―………。





船員4人が、思い思いに新聞を眺めるなか、船長であるルフィは、興奮しきった様子で、文字通りワクワクしていた。



ルフィ「うぉっほー!
    ツバキがこの海にいるって!?
    丁度良いじゃねぇか!」



そう嬉しそうに叫んだルフィは、素早くメリー号の頭[特等席]に飛び乗り、船員達の方へ振り返る。



ルフィ「ナミ! 進路は!?」

ナミ「えぇ、このままで問題無いわ。
   新聞によると、ツバキが今いるであろう場所は―」



ナミは海の先を見つめ、勇ましく微笑む。



ナミ「東の海[イーストブルー]に属する、小さな島…『エンカウンター島』よ!」





◆順風満帆



「待っててくれ」と、風に託して迎えに行こう。



ルフィ「おっ、島が見えてきたぞぉーーー!」




(NextPage:後書き)

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