【 恋心ヴィーゲンリート 】

□【冒険の記録1:出航準備】
2ページ/6ページ

***





純粋な赤色じゃない、私の“カメリア色”の髪…。


私はこの色が、この髪が、好きじゃない頃があった。

理由は忘れてしまったけれど…けど、何となく好きじゃなかった。


でも、嫌いにもならなかった。

ううん、なれなかったんだ。



“あの人”に出会って、ソレはさらに強くなった…。

その頃の事を、今でも鮮明に覚えている。


その人の髪は、私と違って綺麗な、“本当に赤い髪”だった。

赤い髪が、とても良く似合う男の人だった。


大人なのに、何処(どこ)か子供っぽくて、純粋で…。

でもソレは、大人になっていく人の殆どが、“捨てていってしまうもの”だったから、反対に眩しく感じた。



暖かかった。

陽だまりのように…。


安心した。

静かに眠るように…。


心地良かった。

揺り籠(かご)に揺られるように…。





大好きで、ずっと一緒に居た“かった”…。





海兵1「いたぞ!
    アッチだーーー!」

海兵2「囲め囲めぇ!
    捕まえろーーー!」

?「はぁ、はぁ、はぁ…!」



「父親だったら」と…何度願った事だろうか―…。





【冒険の記録1:出航準備】 ―母なる海が誘うもの―



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ