花は月に恋をする
□酔
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何となく後には引けなかったので、
一旦くすぐるのをやめ、
笑い疲れてぐったりしている平次に顔を近づける。
そして、耳に息を吹きかけた。
効果があったようで平次の頬が少し染まる。
味を占めた俺は平次の耳元に執拗に息を吹きかけた。
「ここが苦手みてーだな」
「!」
平次はそのたびに血流が良くなっていく。
近づきすぎた俺の唇が耳を掠めるときには
平次の耳が顔が全部真っ赤になっていた。
やっと酔いが廻ってきたようだ、と俺はほくそ笑んだ。
笑い疲れたせいか平次は熱っぽい目を向けている。
「あ、あの俺が下なん?」
「普通に俺はお前の上だろう」
にやりと笑って顔を近づける。
「俺は新一、一番だ。
お前は平次だから二番目‥一生お前は俺にかなわないんだよ!」
例え酒だって推理だってな。
「そんな一生やなんて‥俺も同じやほんまお前にはかなわんわ」
平次はますます目がうるんでいるようだった。