君となら空も飛べる

□未来悟天ちゃんシリーズ
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夢から覚めると知らない生き物がこっちを見つめていた。
うーん、ぼく、もしかして寝ぼけてる?
山の少年がそう思うのも無理はない。
なぜなら野原でおひるねをしていたときに、運悪くおなかをすかせた恐竜に連れ去られてしまったのでまったく状況が把握できてないのだ。

「こんにちは、君、だぁれ」
つぶりそうな目をこすりながら尋ねる。
あどけないしぐさがなんとも可愛らしい。
最初は悟飯に似ている、と思ったトランクスだが、それよりも色が白く、ふにふにとしていそうなほっぺたが、幼さを伝えていた。
この分だと自分よりも、年下だろう。

「…俺は西の都から来たトランクス」
薄紫色をした髪の少年が答える。


「君、恐竜に襲われそうになってたんだけど」
「え、気付かなかったぁ」
つぶらな真っ黒い目をぱちくりする。
「…(あの状況で、寝ているのはある意味すごいな…)」

寝起きの悟天はん〜ん〜、とうなっていたが、しばらくしてハッと理解できたのか、
「じゃあ、とらんくすがぼくを助けてくれたんだねっ!ありがと〜!!大好き❤」
満面の笑みでトランクスにひっついた。

「!!」
自慢じゃないがトランクスは幼いころから同年代の友達がいない。普通に会話する程度の友人ならいるが、接触するスキンシップといえば、母親のブルマや、師の悟飯くらいだ。それが、知らない少年にぎゅうっと密着されている。先程は人助けだったので気にならなかった。
胸に伝わる柔らかさとあたたかさにおおげさじゃなく固まる。

「ぼく、悟天っていうんだぁ、よろしくね!」
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