花は月に恋をする

□秘密
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「というわけで母さんはしばらく来ないんだ、お前飯まだなんだろ」
「ああ」
でも、コンビニの弁当があると言おうとしたとき。
「しょうがねーな、パスタでいいかよ」
新一が立ち上がってキッチンに向かって歩き出した。
え?
「ち、ちょお工藤!」
思わず呼び止めた。
「ほんまに?」
「何だよ、パスタが不服か?それとも男の手料理が不服か?」
そないなわけあるかい!と心の中で叫ぶ。
顔がにやけてきた。
片手で口元を覆う。
新一が怪訝な顔をしている。
「お前なににやにやして‥」
「いやちっちゃい体でコンロに届くんやろかなーと」
「テメ馬鹿にしてんな?見てろよ」
平次が笑うのをからかっているのだと認識し新一は居間を出て行った。

あかん、危なかったわ、嬉しすぎて抱きつきたくなったわ‥

それにしても、料理出来たんやな、意外やけど、一応一人暮らししてたんやから当然かも知らんなあ。

また新たな新一の一面を発見したことで平次は浮かれた。
そして、まあ探偵事務所のねーちゃんとか親しい人は知ってるんやろうけどな、とひとりごちた。
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