花は月に恋をする

□秘密
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「アホー!!工藤君は男や!東京の平次の親友や!」
髪を振り乱して必死に誤解を解いた。
いつも工藤のとこいくとか、工藤が試合見に来るとか、工藤に大阪見物させたろとか平次が嬉しそうに言うものだからみんな誤解するのだ。
まあうちも初めは悪い女やと思うたけど。あの工藤厨一遍病院行ってこい。

和葉の苦労も知らず、
こうして学校を抜け出した平次は東京へと向かっているのだった。

駅で切符を買い丁度いい新幹線に乗りこんだ。

平次は乗ってから自分が制服のままであることに気づいた。
このままでは補導されてしまうかもしれない。
どれだけ急いでいたのかと苦笑した。

そして自分を電話一つで呼びつけた男のことを考えた。

オレがこんな風に東京に行く真実もオレと工藤以外知らない。
工藤が幼児化してしまった事実もオレと工藤とほんのちょっとの人間しか知らない。
俺たちの人には教えられない秘密。
お互いを特別な存在にする‥
そこまで考えて自分は終わってると思った。

前に遭遇した事件の犯人は犯罪という秘密を共有することで愛するが振り向いてくれない女性との絆を作ろうとしていた。
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