どこにいても
□第十二話
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―――眠れん
あない夢見たもんやから全然寝られへん
今までも昔の夢を見たことはあった。せやけど見たことあんのは幸せだったのばっかりや。記憶の奥に閉まい込んどったからなんかユイが死ぬ時の夢なんか一度も見たことなかった。今まで一度も…
さっきんが原因か?
刹那にユイの話して刹那ん意識が無くなった時、いきなし無くなっとったユイの霊圧が一気に膨れ上がった。それにさすがの俺も焦ったった。
無防備に上がり過ぎる霊圧は虚を呼ぶ。何か対処せなあかん思おとったら今度は一気に下がった。下がったゆうより、無くなった。
あん時のユイの霊圧に当てられたか……
せやけど……あれは一体何なんだったんや?
あの後、刹那を支えとった腕で刹那ん体が熱くなったのを感じたった。
同時に知らん霊圧を感じた。すごく小さく、感じ取れるかどうかぐらいの微かなもん。産まれたばっかりの赤ん坊みたいな感じやった。
まさか………刹那のか?
根拠も無しにそう思おた。せやけど無い話やない。刹那からユイの霊圧が出とったんや。“刹那”の霊圧があってもおかしくはない。
仮定やけど刹那ん中にユイの意識が別で入っとったら?そんで刹那の霊圧を引き出したとしたら?
そう考えると辻褄が合う。
刹那に初めて会おた時ユイん記憶が無いんはユイの意識が別におるから。中にユイがおるからここに飛ばされてきた。いや、飛ばされたんやなくユイが俺んトコに戻ってきた……?
こら確かめなあかん。