どこにいても

□第十一話
2ページ/2ページ


非常召集の鐘が鳴る

『真子…』
「大丈夫や、拳西も白も。すぐ戻るよって布団あっためとき」
『バカ//……気をつけてね』
「おう」

俺は一番隊へ呼ばれ魂魄消失案件始末特務部隊として現地に向かった



「何やこれ」

拳西も白も虚みたあになっとった。それにひよ里まで。

「ひよ里!」
「ヴォォォォォ!」

―――ザシュ!

「…!……お前、東仙!」

その後ろから藍染、市丸が現れた。

……‥―――



「終わりにしましょう、平子隊長」



俺が藍染に選ばれたからやと?皆がこないなったのは俺がこいつに選ばれたから…何もかんも俺のせい……


『真子!』
「ユイ?!あかん来るな!」
「おや、これはこれは」

何でここに…こんな時に体が動かんっ!

「結城三席、いや結城ユイ。いい所に来てくれたね。待っていたよ」
『どう言う事ですか?藍染副隊長』
「結城ユイ、君には今死んでもらう」
「何やてっ……!」
「結城ユイも平子隊長、あなたの様に僕が選んだ内の一人。結城ユイは能力、人望、容姿全てが完璧だ。僕の側に居るに値する」
『そんなのあなたの勝手な思い込みよ。そんな完璧な人なんかじゃない!』
「それでもいいんだよ。僕がそう思っていれば。さぁ時間だ」

「そないな事させるかっ!」

藍染に斬りかかろうとした時市丸が動いた

「あきませんやん。後ろがら空き」
「市丸…!うっ!」
『真子!』

背中に激痛が走る。
あかんこのままじゃ……

俺んトコに走りよるユイに藍染が瞬歩で移動し刀を振り上げた

「結城ユイ、これからくる僕との未来のために今死んでもらうよ」



――――――ザンッ!


「ユイっ!」

俺のすぐ目の前で倒れていくユイ

ほとんど無い力でユイに近付く

『……真、子…』
「ユイ…!」

ユイを抱き上げた瞬間、背中に回した手には血の感触。ジワリジワリと真っ赤な色が服に広がる。

「っ―――!」

何でこないな事に……
何でユイなんや…
何で俺はこない近くにいながら……ユイを守られへんかった!


『真、子‥泣か、ないで』
「ユイしゃべったらあかん!」

涙が流れる。悲しい、悔しい、そないな想いが溢れ出て止まらん。

徐々にユイの温かさが消えていく。その感覚がユイがいなくなってしまうとゆう現実を俺に知らしめる。


『ねぁ、真子…あたしと‥約束‥してくれる?』

俺は頷く事しか出来ひんかった

『あたしは、必ず…また真子の所に‥帰ってくる…
だから‥その時、まで…待っててくれる?』
「待っとる…ずっとずっと待っとるから…」
『約束……だよ』

真子、大好き

うっすらと笑った瞬間、ユイが消えた。斬魄刀も死覇装も全て

「…ユイ……ユイ―――!」






その後喜助が来てからは記憶が曖昧やった。はっきり意識が戻ったんは現世に来てから。
それから俺は自分の非力さを呪った。あん時俺にもっと力があったらユイは死ななかったかもしれん……こっちに来てから後悔ばかりやった
もうこないな想いしたない、大事な奴を無くしとうない。せやから強くなると決めた。藍染の置き土産やった虚化を使いこなせるようにもなった。



そんで俺は気が狂いそうな長い間いつ帰ってくるかも分からんユイを待っとった。たった一つの“約束”だけを支えにしながら……



前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ