どこにいても
□第十一話
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(『真子』)
なんや刹那の声が聞こえる
(『バカ!いつまでサボって寝てるのよ』)
……ん?ユイ?
(『いつも一緒だよ!ずっとね、ずっと…』)
ユイ……
(―――ザシュ!)
(『真子……約束‥だよ』)
……‥――――
「ユイ!」
ベッドから飛び起きた。嫌な汗が流れとる。服にまとわりついとる気持ち悪さが何とも言えへん。
最悪や、こないな夢…
俺の目の前で殺されたユイ。側にいながら何も出来んかった。
俺とユイはずっと一緒やった。死神になる前からずっと。俺が隊長やっとる時、ユイは七番隊の三席やった。美人で皆に慕われとって仕事も出来て。そないなユイに自分が抱いとる気持ちに気付いたんは、ユイが誰かも分からん男から告られとるのを見た時やった。
「結城三席、是非お付き合いさせてほしいんです」
『その、すみません。あたし決めた人がいるので…ごめんなさい』
そないな事ゆうたもんやからユイの決めた人っちゅうんが気になぁてしゃぁなくなった。
ずっと一緒にいたからなんか全然自分の気持ちに気付かへんかった。せやけど他の男に獲られたぁない思うて「あぁ俺、ユイの事好きやったんか」って自覚した。
俺は黙っとる性分やあらへんからすぐユイに聞いたった
「お前好きな奴おるんか?」
『え//?どうしたの突然?』
「えぇから答え」
『いるよ。ずっと昔から好きな人』
「誰や?」
『………あんただよバカ!早く気付けハゲ//!』
「あぁ?!ハゲちゃうわ……って…ホンマか…?」
『嘘言ってどうするのよ;』
ガバッ!
「俺も好きや…」
『ちょっ、急に抱きつかないでよ!………あたしも好きだよ//』
『ねぇ真子、これからもずっとずうっと一緒よ』
「当たり前やボケ。誰が離すか」
それからは幸せな毎日やった。気の合う仲間と何よりも大切なユイと一緒にいれて。この幸せがずっと続くと思うとった。
せやけどあの日の夜、何もかもが……終わった