どこにいても
□第七話
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気が付いたらベッドの上
『あたしあのまま寝ちゃったんだ』
寝てしまったあたしを部屋へ運んでくれたのだろうか体には毛布が掛けられていた。暗い部屋の中カチカチと時間を刻む音。音のする方へ歩みより置き時計を見ると針は午前三時を示していた
あの時真子は何も言わないでただ抱き締めてくれていた。それだけですごくすごく安心した。そしてあの腕の温かさが嬉しかった。“本の中の人”ではない“実際に存在している人”としての温かさを感じて今まで以上に真子に対する色々な想いがが大きくなる
『無駄な事なんてない、ここに来たのには意味がある…そうだね真子』
あたしのやるべき事が見つかったよ
もう一度布団に入り眠りについた
……‥‥―――
「おはよぅさん」
『おはよう』
起きてリビングに入ろうとしていたらもう一つの部屋から真子が出てきた。お互い昨日の疲れもあってか起きたのはお昼頃。おはようなんて時間じゃないけどそこは起きた時のあいさつって事で。
ドアを片手で開け肩をグルグル回しながら
「あぁ、なんや腕筋肉痛やわぁ」
と少しダルそうにしていた
『何かしたの?』
「そやなぁ、どっかの誰かさんがワンワン泣いて大人しゅうなったか?思うたら人に鼻水ダラァ付けて寝とってん。しゃぁから紳士な真子君が部屋のベッドまで運んで丁寧に毛布まで掛けただけっちゅう話や」
『―――っ!//…すいません;ありがとうございました』
「わかればええんや。
…んっ?ヤバ!俺ちょい出かけてくるで!」
真子は時計を見るなり急に焦り出した
『急にどうしたの?』
「バイトや、バイト!
今日で最後にしよ思て話してこなあかん」
『最後?』
続けたらいいのにと思っていると
「来週からガッコ行かなあかんからな。今日で最後や」
『(!)そっか。気を付けて行ってきてね!』
「おお!
せや、そこん棚にパン置いとるら昼飯それでいんやったら食べとき!あと部屋ん鍵やけどスペアをカウンターの端に掛けとるから持って歩けや。遅くならん様に帰るよって!」
『了〜解。ありがとね!』
う〜ん、パンは〜っと。あっ、あったたあった!とパンを見つけトーストにして頂く。
『モグモグ…(おいし!)』
その横でバタバタと支度をして玄関を出ようとしていた真子がいきなり振り返り
「何や忘れてそうやからゆうとくけど刹那も一緒にガッコいくんやで。ほな」
―――――バタンッ
いや、一回も聞いてませんけど…
あたしは一人残されたリビングでポカンとしていた
真子が学校に行くってゆうのは分かる。(きっと一護の引き込みだよね)そのためにバイトを終わらせるのも分かった。そこまではいいとして……
(え、あたしも?)
あたしまで学校に行ってしまったら物語が変わっちゃうんじゃ…
詳しく聞こうにも真子が居なくなったら聞く人がいないし、どうしよ;
そうだ!喜助さんがいる!
残っていたパンをかじりながらスペアキーを取り、急いで昨日来た道を走って戻った。