どこにいても

□第十九話
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真子の帰りが遅い

明日は学校に行くから早く終わらせよって言ってたのは真子なのに……

喜助さんから貰ったものを整理しようと部屋の中に入る。ここ何日かで喜助さんから送られてきていた荷物の整理もまだだった為部屋の中はゴチャゴチャ

『とても真子には見せられる部屋じゃないな;女の子の部屋とは思えないよ…』

時間を忘れて片付けに没頭していた。



「帰ったでえ」

ガチャっという音と共に聞こえた真子の声。ハッと思い、時計を見たら針は夜の九時を指していた。
部屋の扉を開け玄関で靴を脱いでいた真子に声をかけた。

『おかえり。遅かったね?』
「あぁ、ラブと話し込んでまってな。遅おなってすまんかった」
『ううん。あたしは大丈夫だよ』
「せやかて飯まだやったやろ?」
『あぁ………ご飯はいいんだ。最近食欲無くて』
「まさかダイエットか?あかんで!そない細っこいんに飯食わないやなんて」
『いや、細くないし。ホントあたしの事はいいから!それより真子こそ食べてないでしょ?何か作ろっか?』
「せやな、ほんじゃお願いしよか?」
『わかった。少し待ってて』

上手く誤魔化せたかな?
実のところ、真子の事で悩んでから食欲が湧かずあまり食べていなかった。

リビングに入りカウンターの脇にある冷蔵庫を開けて入ってある食材を見る。

『うーん、肉じゃがができるかな?』

あまりレパートリーがないあたしが作れる数少ない品目だ。
材料をカウンターに並べて作り始めた。

『(今日帰ってきてからの真子はいつもの真子だった。じゃぁあの真子は何だったんだろ…)』

そう作りながら考えていた。

「呆けながら飯作るやなんて刹那は器用やな」
『わっ!』

突然背後から声をかけられた。色気のなぁ声やなぁとクスクス笑われてしまった。

『突然後ろから話されたら誰だって驚くよ!』
「そらぁすまんかったな」
『もう、座って待ってて!』
「ヘイヘイ」

あんな近くで話されたら驚く以上に緊張しちゃうよ//
赤くなった顔を落ち着かせようと両手で覆っていたらまだかぁと急かされてしまい、急いで作りリビングへ運んだ





「ご馳走さん!」
『お粗末様でした』
「いやぁこん肉じゃが旨かったわぁ。これやったら何ぼでも食えるで!」
『ホント?嬉し!そんなに言ってもらえると作ったかいがあるよ!』

ちょっと作りすぎたかな?と思ったけど真子は残さず全部食べてくれた。

「また刹那ん作ったの食いたいわ」
『わかった//また作るから』
「頼むで!」

……ホントどうしたんだろ。今朝の真子と全然違うから少し戸惑う。

『ねぇ真子、何かあったの?』
「何かて?」
『その、口数が増えたってゆうか機嫌がいいってゆうか……最近の真子何かそっけなかった感じがしたからさ』

「…………」

それから真子は黙りこんでしまった。



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