どこにいても

□第十七話
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―――訓練三日目

何か真子の様子がおかしい。

訓練してる時はずっと付き合って見ていてくれるのに休憩に入ると直ぐ一人で行ってしまう。
話し掛けても何となく素っ気ない感じ。変わらないっちゃ変わらないんだけど……


昨日の夜だって……


『お風呂どうする?先入る?』
「……あ、あぁ?風呂?刹那先入ってええで」
と言って部屋へ行ってしまった。
会話も上の空って感じだったし、いつもだったら帰ってきてどっちが一番風呂入るかで喧嘩するのに昨日は珍しく先に入ってもいいって言ってた。
それにあたしが寝るまでは必ず起きていてくれてた。なのに部屋に入ったきりずっと隠って出てこなかった。

『(あたし何か嫌われるような事したっけ?)』

記憶を辿っても思い当たる節がない。

今更だけどあたしは真子が好きで、真子のためにここで頑張るって決めた。なのに真子に嫌われたら……

『ハァ、どうしよ……』

結局、その日一日集中出来ないまま(もちろんひよ里に怒られました;)三日目が終了した









―――訓練四日目

「ハァハァ、こんくらいでええんちゃうか?」
「いや、もう十分だろ;」
皆付きっきりであたしに付き合ってくれていた。その中でも一番はひよ里だった。

「霊圧操作も戦闘術も驚くほど上達したね」
「すごい刹那ちん!」
「ずっと頑張ってましたからネ」
「根性あったじゃねぇか」
「元々センスがあったんだろ?」

「刹那、ようやったなぁ。これやとそこいらの奴より全然強いで」

『ホント?!ひよ里や皆のお陰だよ、ありがと!』

やっと皆が認めてくれるくらいの力を持てた。これからはあたしも一緒に戦える!

「ほな、今日はこの辺で終いにしよか。連日動きっぱなしやったから皆疲れとるやろ。俺等も明日の準備があるよって」
「明日?何かあるんやったか?」
「ボケ、初登校日や」


ヤバ、完全に忘れてた……


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