MAGIC

□koi
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「もうっ、ドラコったら今日ね―…」
「(また出た。“ドラコ”。)」

メラメラと燃える談話室の暖炉の炎を眺めながら、なまえは心の中でつぶやいた。

パンジーと2人でいるときは、たいていドラコの話になる。(といっても、一方的だけどな。)
そうじゃなかったら、宿題を見せたり、教えたり。

小さくため息をつきながらも、一応聞いておく。…というより、聞く以外の選択肢が無かった。
特にすることも無いからだ。女子寮に本を取りに行こうとも思ったが、タイミングがつかめずにいる。
だからこうやって、暖炉の前にあるソファーに座り、膝に肘を付いてぼんやり聞いている。

「あぁ、ドラコったら、どうしてあんなにステキなのかしら…」

…まぁ、
禁断の森でハリーと(あろうことか)私までおいて逃げるような最低野郎だけどな。
あのとき、一生ドラコなんて助けないと心に誓ったのは今でも覚えている。
(まだ幼かったから仕方ないかもしれないけど)
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