白衣の帝王たんぺん

□ヒーロー!
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昼下がりのベンチにて。


「お腹空いたよー」
「そんなこと言ったって、僕は何も持っていないぞ」
「セブの髪の毛がワカメになぁれー」
「じょ、冗談でもやめろ……!」

何て恐ろしいことを言うんだ……

※セブルスは必要以上にリアルに想像しました。

「えー、でも世の中には顔がパンで出来ていて、お腹を好かせた子に自分の顔モギって渡す生き物とかいるし」
「!?」

セブは落雷を受けながら思わず凄い形相でなまえを見た。


※セブルスはある意味心が綺麗で純粋なので、本当に実在すると勘違いしています。


「な、何だその化け物は……!」
「バケモのじゃないやい!正義のヒーローだよ」
「(ヒーロー……だと……!?)」

またしても落雷。
驚愕の事実に冷や汗を流す。

「確かアンパンマンって言うんだよね」
「!?」


そのままだ……!
っていうかあんパンだったのか……!


「そ、そいつの外見はどんな感じなんだ……?」
「普通に人間みたいな感じだよ」
「!?」

グ、グロテスク過ぎないか……!?

「顔がボロボロになる度に新しい顔と交換できるんだ」
「何ッ!?」
「新しい顔よ!とか言って、首から上がポォォォン!!」
「!?」


セブはなまえの口から明かされて行く、複雑すぎる正義のヒーローの存在に戦慄を覚えた。


「因みに、彼の友達は誰だと思う?」
「え、」

正義のヒーローとはいえ、そんなにもグロテスクで恐ろしい奴なんだ。きっと、地獄とか、魔界に居るような―――



「―――愛と、勇気さ」
「!?」


以外と清いな……!


セブルスのツムジを目掛けて青い稲妻が走る


「で、でも」
「ん?」
「その……子供は、怯えないのか……?目の前でいきなり顔をむしりだしたりされて……」
「え?むしろムシャムシャ食べてるよ?笑顔で」
「!?」

え、笑顔だと……!?
どうなってるんだ最近の子供たちは……!


「確かねー、えっと」

なまえは地面に絵を描き始めた。
セブルスは恐る恐る覗き込む。

「こんな感じだったよ」
「!?」

かっ……
かわいいだと……!?

セブルスは服の上から心臓を握りしめ、赤面した。

「お、おい」
「ん?」
「その……」

セブルスはス、と
私物である本を差し出した。









「ここに……その絵を描いてくれないか?」


「なん……だとっ……!?」






意外すぎる反応に、今度はなまえに落雷した。



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雷神さん仕事しすぎ

どぎつい感じの本とか読んでるくせに
架空の生き物は無条件に信じてしまう
純粋な心の持ち主だと最高だと思うんだ。

アンパンマンの落書き付の本読んでるとか
素晴らしすぎると思うんだ。
  

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