桜小説
□浪士襲撃!
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島原に芸者として潜入して一週間。
父様の情報もなく、浪士達も動きを見せていなかったこともあり、私は一度、屯所に戻ることになった。
「ふぅ…やっぱり、島原よりは自分の部屋が落ち着くな…。」
久しぶりの屯所で、すっかり定着した男装に戻る。
「女物の着物より、男物の着物の方が落ち着くって…どうなんだろ…」
少し落ち込みながらも、土方さんにお茶を出そうと、部屋を出ようとしたその時――――
カァン!
キィン!
ギィン!
辺りに剣戟が響く――――
「な、何?!」
状況を知るため、障子に近付く。
「襲撃!襲撃!!早く局長や副長に!!」
遠くから隊士の声が響く。
「襲撃?!まさか…」
また、風間さん達が…?
「数は30以上!!風体から、尊攘派の浪士と見られます!」
「風間さん達ではないんだ…」
とは言え、襲撃されてることに変わりはない。
念のため、小太刀を腰に差し、襲撃に備える。