桜小説

□浪士襲撃!
1ページ/5ページ

島原に芸者として潜入して一週間。

父様の情報もなく、浪士達も動きを見せていなかったこともあり、私は一度、屯所に戻ることになった。


「ふぅ…やっぱり、島原よりは自分の部屋が落ち着くな…。」


久しぶりの屯所で、すっかり定着した男装に戻る。


「女物の着物より、男物の着物の方が落ち着くって…どうなんだろ…」


少し落ち込みながらも、土方さんにお茶を出そうと、部屋を出ようとしたその時――――


カァン!
キィン!
ギィン!


辺りに剣戟が響く――――


「な、何?!」


状況を知るため、障子に近付く。


「襲撃!襲撃!!早く局長や副長に!!」


遠くから隊士の声が響く。


「襲撃?!まさか…」


また、風間さん達が…?


「数は30以上!!風体から、尊攘派の浪士と見られます!」


「風間さん達ではないんだ…」


とは言え、襲撃されてることに変わりはない。


念のため、小太刀を腰に差し、襲撃に備える。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ