捧げ物

□離れたくない…
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―土方視点―


自室で、藩邸に出す書類を整理してると、総司、永倉、斎藤、平助、原田と、主だった幹部が揃いも揃って、訪ねて来やがった。


「で?お前らは、俺に何の用だ?」


筆を止め、今、俺の目の前にいる奴らに用件を聞く。


「用っていうか、なんていうか、ここのとこ、千鶴の元気がなくてさ。」


「たまに部屋に行っても、上の空だったり、思い詰めるような表情をしてることが多くてよ。」


「それ以外でも、最近は色々考えないようにするためなのか、やけに忙しそうに雑用をしてる。こっちは助かるが、あれじゃ、千鶴が倒れちまう。」


「俺としても、何とかしてやりたいのですが、千鶴は思っていることを、なかなか口にしないもので…。」


「っていうか、千鶴ちゃんは土方さんの小姓なんだから、土方さんが何とかして下さいよ。」


平助、新八、原田、斎藤、総司。
これまた、揃いも揃って、口から出るのは千鶴のことばかり。


これが壬生狼と言われ、恐れられている新選組幹部だと思うと頭が痛い。
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