緋華葬

□2人の青年
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とある街のとある道

行き交う人々でごった返した道

そんな道を歩く二人組の青年

一人は黒髪の青年

紫を帯びている漆黒の髪を高く結い上げている

もう一人は赤毛の青年

ぴょこぴょこ外跳ねている独特の髪をしている

道を歩く人々より頭1つ分高い彼ら

服装もさることながら、相当目立つ

ちまみに服装は

胸元の赤石の首飾りと赤眼の2つの赤が目を引く黒髪の青年

髪と正反対の色の鮮やかな青の襟巻きが目を引く赤毛の青年

である

けれど二人は恐ろしい事に、普通に似合っている


「――鴇久よ」


眉間に皺を寄せ、神妙な面持ちで赤毛の青年が隣を歩く黒髪の青年――天章鴇久(あまあきときひさ)に問う


「なんだよ一世?」


赤毛の青年――神宮一世(じんぐういちせ)とは対照的なにへーとした顔で答える鴇久


「あ、もしかして腹減ったとか?お前さっき馬鹿みたいにあんみつ食ってたのにまたか?甘党ってすごいなー」


腕を頭の後ろで組みながら言う鴇久

相変わらず、にへーとした表情を崩さずに


「餓鬼じゃあるまいし、そんなわけないだろう!あぁ頭を撫でるな!!」


一世が喋っている最中に彼の頭を撫で回す鴇久


「何か撫でたくなったから、つい」


「つい、じゃないだろう・・・・」


「悪い悪い。こう、いつもの癖でさー・・」


「餓鬼の頃からお前は俺の頭をよく撫で回したな、確か」


「ま、大概はお前が泣きそうなときとかだったけどな」


「黒歴史を穿(ほじく)り返すな!!」


「ちょ、お前髪引っ張んなよ!!抜ける!!禿げる!!」


負けじと鴇久は一世の襟巻きを掴む

ギャイギャイ騒ぎながら道を進む二人

服装や背丈以外でも、やたら目立つ


「つーかそれより!本題はなんだったんだよ一世?」


涙目になりながらも問う鴇久


「あぁ、それはだな」


掴んでいた鴇久のご自慢の髪の毛を離す一世


「俺たち・・・・・・・・」



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