〜新月ノ魔法〜
□俺様、神様、綱吉様っ
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それは、ある晴れた日の放課後の事だった。
「あれ?雲雀と昴りりすじゃん。告白でもすんのかな。な、リボーン」
放課後、ツナはリボーンと一緒に屋上の給水タンクの上に座っていた。
そして下を見ると、雲雀と先月転校してきた昴りりすが裏庭にいたのだ。
「そうなんじゃないのか。雲雀は顔はいいしな」
リボーンが下を見て言う。
確かに雲雀は顔はいいだろう。ただし、性格に問題があるが。
「確かにー。あっ、告白盗み聞きしようぜ!」
そう言ってツナが指をパチンッっとはじくと、二人の話声が聞こえてきた。
『こんな所に呼び出して何の用?』
『えっとぉ〜』
「こんな余計な事に力使っていいのか;」
「ダイジョーブ、ダイジョーブ!俺がこの世界じゃ一番偉いんだから。ほら、今から告白するぜ」
『私ぃ、雲雀さんの事好きなんですぅ〜。だからぁ、付き合ってくれませんかぁ?』
りりすは、首をかしげ、上目遣いで、語尾をのばしながら雲雀に告白した。
ちなみに心の中では、
(こぉんな可愛い私が告白してるんだからぁ、OKに決まってるわよねぇ〜)
と思っている。
りりすは昴財閥という大財閥の令嬢だ。甘やかされて育ってきたため、思い道理にいかない事なんて無いと思っている。
だが雲雀の返事は、
『無理。用はそれだけ?じゃあもう帰るから』
NOだった。
そしてそのままさっさと帰っていった。
残されたりりすは、
『なっ(何でぇ!ありえないわ!私がふられるなんて!ゆ、許せないっ!こぉんなに可愛い私をふるなんて!)』
さっきまでとは全く違う、恐ろしい顔で、さっていった。
それを見ていたツナは、
「・・・。ぷっ!あははははっっ!!!」
りりすが見えなくなると、大口開けて笑いだした。
「お、おい;」
「あーはっははははっっ!!!あの女傑作っ!おもしれーっ!!!あはははっ!!!」
そして五分ほど笑い続けた。
「はー。笑い過ぎて涙出てきた。腹も痛い」
「笑い過ぎだ;そんなに面白かったか?」
「おもしろいよ。もう、傑作だって。最後の顔とか見た?!それにかなりの自意識過剰だし。あんな奴は久しぶりにみたよ」
「そうか;」
「・・・でもあの女。何かしでかすぞ」
笑っていたツナが、いきなり真剣な顔になった。
「・・・そうか。」
リボーンも同じように真剣な顔になり、ツナと話しだした。