1周年企画小説
□みかん様リクエスト
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ゆんゆんの姿はだんだん薄くなっていき、霧が現れ、晴れた霧から、骸が姿を現した。
「骸ォ!?」
「えぇ。お久しぶりです綱吉君」
「え、え、ええっ!?ゆ、ゆーさんが骸!?」
ゆんゆんが骸になったことに、驚愕の声をあげ驚くツナ。
ツナには超直感があるはずなのだが、分からなかったようだ。
「いえ。幻覚で成り代わっただけです。“彼女”から連絡を受けまして。・・・なにやら、面白いことになってますねぇ」
「か、彼女?」
「えぇ。君の言う、ゆーさんとやらですよ」
「骸、ゆーさんと知り合いなの!?」
ゆーさんって何者!?とツナは本日2回目の驚愕の声をあげた。
「えぇ。まぁ、あちらは僕のことを嫌っていたようでしたがね。あぁ、彼女は雲雀君の敵ではありませんから安心しなさい」
クフフ、といつもの笑いをこぼし、ツナに説明する。
本当に何者なんだ、とツナが考えていると、応接室のドアが開いた。
「雲雀さん!」
中に入ってきたのはこの部屋の持ち主である雲雀。
だが、いつもとは様子が違った。
「雲雀さん、その怪我・・・!消毒しないと!」
そう。雲雀はところどころ怪我をしていたのだ。
その怪我のうちに、刀傷や、爆弾かなにかが当たったような傷があった。
「雲雀さん、それって、まさか・・・」
怪我を消毒していくうちに、ツナはその傷に気づき、雲雀に聞いた。
「ありがとう綱吉。・・・山本武と獄寺隼人、+その他にやられた。相手してる暇はないから帰って来たんだけど・・・。綱吉はいいとして、なんで君がいるの?」
ツナの隣にいた骸を睨みつける雲雀。
「知り合いに話を聞きましてね。ですが随分と面白い姿になってますねぇ。似合っていますよ?」
「咬み殺す!」
「ちょ、止めてください!!!」
2人に喧嘩されると話が進まないうえに部屋が大変なことにあるので、ツナが全力で止めた。
「骸も挑発するなよ・・・。雲雀さんが心配できたんじゃないの?」
「・・・廻りますか?」
「すいませんでした!」
骸が三叉槍をかまえるのを見たツナは、全力で謝った。
「えっと、雲雀さん。今日の騒ぎは知ってますか?」
謝ったツナは雲雀に向き直り、本題に入った。
「あぁ。山本武達が言ってたね」
「はい・・・。昨日、何かありましたか?」
「その、如月華恋に告白された」
「告白!?な、なんて言ったんですか!?」
「普通に断ったけど」
雲雀が告白されたと聞いて焦ったツナは、雲雀の返答にホッと胸をなでおろした。
「・・・あれ?話と逆になってる」
安心したツナは、京子から聞いた話と逆になっていることに気がついた。
「フられたその女がでまかせを言ったに決まってるでしょう。目的は、雲雀君を追い込んで1人にして、そして自分のモノにする。とか、大方そういうものじゃないですかね」
「そんな・・・」
信じられない、という目でツナが骸を見る。
そんなことをするなんて、考えられなかった。
どうしよう、と考えているツナ、そして骸に、雲雀が声をかけた。
「綱吉、もう授業だし、僕は大丈夫だから、もう帰りな。あと、君も帰って。来てくれたとこ悪いけど(そんなことは思ってないけど)」
「心の声がまる聞こえですよ。まぁ、一旦帰ることにします。彼女にも報告しなければいけませんしね」
そう言って骸は応接室から出て行った。
彼女に報告、と言っていたから、ゆんゆんのもとに行くのだろう。
「えっと・・・」
「僕は大丈夫だから」
「・・・じゃあ、放課後にまた来ますね!」
残されたツナは応接室にいたかったものの、雲雀に言われ、放課後にまた来ると言い残し、教室へ戻った。