1周年企画小説

□みかん様リクエスト
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愛情も時には凶器になるのです


ツナがいつものように学校に行くと、教室がちょっとした騒ぎになっていた。

「え、どうしたの・・・?」

「お、ツナ。はよ」

「あ、山本。おはよう。えっと、これ、何の騒ぎ?」

ツナは近くにいあた山本に、あいさつついでに聞いてみた。

「いや。俺もよく知らねぇんだけど・・・。なんか、雲雀がどうとか?」

「雲雀さんが?」

頭にハテナマークを浮かべるツナは、気になって皆が集まっているところに行ってみた。
山本も気になったのかついて来る。

「・・・ひっく・・・っ・・うぅ・・・」

そこでツナが見たのは、京子と同じように並中のアイドルやら、マドンナやらとあだ名がついている美少女の華恋が、包帯だらけの姿で泣いている姿だった。

「え、如月さん?」

「あ、ツナ君」

「・・・京子ちゃんに黒川、何があったの?」

超直感の警報音を聞きながら、ちょうどツナの隣にいた京子と花に、質問する。

「えっと・・・。華恋ちゃんに告白した雲雀さんが振られて、校則違反をしてる、とか理由をつけて華恋ちゃんを殴った、らしいんだけど・・・」

「そんな!雲雀さんがそんなことするはず無いよ!」

雲雀がそんなことをするはずが無いと分かっているツナは、京子に反論した。

「でも、如月傷だらけだし。それに、如月すごく可愛くて京子と同じくアイドルとかマドンナって言われてるから、雲雀さんが告白してもおかしくは無いじゃない?」

「そんなわけないよ・・・」

ツナは雲雀と付き合っている。
だから、雲雀が華恋に告白しただなんて、あるはずがない。
しかし、そんなことを言うわけにもいかず、否定する言葉が見つからないツナだった。

そんな時。どこからか声があがった。

「雲雀に制裁してやろうぜ」

と。

一部の人間は雲雀に咬み殺されたりと、雲雀を怨んでいるものも多い。
華恋のことを理由に、制裁と言う名の復讐をしようと考えているのだ。

「おぉ!してやろうぜ!」

「全員でかかれば負けねぇだろ!」

「俺、先輩にも言ってくる!」

「俺も!」

それにクラスの男子は殆どのっかり、先輩を呼ぶ者も出た。

「・・・っ・・やめっ」

ツナが止めようとしたが、そんな1人の声など届くはずもなく、クラスの男子は殆ど出て行ってしまった。

「10代目、どうしたんですか?」

少し遅れて今教室に来た獄寺がツナに声をかける。

「雲雀がな、」

何も知らない獄寺に、山本が先程京子からツナと一緒に聞いた話を説明する。

その間に、ツナは誰かに引っ張られ、教室から無理やり出された。

「誰っ、って、あれ?ゆーさん?」

自分を引っ張った人物を振り返って見てみると、華恋の親友である、ゆんゆんだった。
ツナは、ゆーさんと呼んでいる。

「ちょっと来て」

「ま、待って!雲雀さんが危ないのに・・・!」

「沢田が行ったってなにも出来ないでしょ。それに、もうチャイム鳴るし。帰ってくるよ」

現在時刻は8:14分。20分で着席のチャイムが鳴るので、帰ってくるだろう。
もし帰ってこなかったとしても、先生がいるので教室に帰らされるだろう。

「で、でも!」

「あ、話に時間かかるだろうし、1時限目サボるよ」

「えぇ!?」

驚くツナを、無理やり引っ張り、“ある場所”へと連れて行くゆんゆん。

「・・・着いたよ」

そう言ったゆんゆんは、ドアを開けるとツナをその部屋に放り込んだ。

「いたっ!ってここ、応接室!?」

「そうですよ?」

しらっと答えるゆんゆん。

そのゆんゆんの姿はだんだんと薄くなっていき・・・。
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