1周年企画小説
□樋口要様リクエスト
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復讐劇の開炎
―並盛病院―
「空識っ」
バンッ!
壊しそうな勢いで病室のドアを開け、中に入ってきたのは、《人類最強》哀川潤。
恭弥から連絡を受け、病院に駆けつけてきたのだ。
「潤・・・」
「恭弥!・・・空識は無事なのかっ?」
そう聞かれた恭弥は無言でベッドを指さす。
そこには、包帯だらけの痛々しい姿でベッドに横たわっている、ツナ・・・空識がいた。
コードが沢山繋がれ、重傷なのがよく分かった。
「なんで、こんなことになったんだ?」
「いじめ、だよ」
人類最強からの質問に、恭弥は苦々しそうに答える。
「いじめっ!?なんで空識がそんなことに!大体空識の傍には守護者がいたんじゃないのかよ!」
「潤、落ち着いて・・・。そのことも、説明するよ。でも、少し待って。もう少しで零崎が来るから」
「あ〜。分かった。・・・家賊だもんな〜」
「うん。空識は特に可愛がられてたからね。電話したときも、怒りようが凄かったよ。殺気がこちらにも分かるくらい」
この僕も、少しばかり恐怖したね。と空識の頭を撫でながら言う。
すると、先ほどのようにドアを壊しそうな勢いでドアを開け、零崎三天王をはじめ、合計6名が病室に入ってきた。
「お、来たか。ん?なんでいーたんもいんだ?」
「哀川さ「潤だ」いたっ・・・潤さん、恭くん、お久しぶりです」
「おう!久しぶりだな!で、なんでいーたんが零崎くんに引っ張られてるんだ?」
「零崎がいきなり家に来て、並盛まで連れて行ってくれって無理やり連れてこられました」
「いてっ」
人識を一発殴って説明する戯言遣い。
「なるほどね〜。零崎くん、金無さそーだもんな」
「ふん」
「ちょっと、そんなことどうでも良いから。早く説明したいんだけど」
「ごめんね恭たん」
「ちょっと、そう呼ぶなって何遍も言ってるでしょ。咬み殺すよ」
「まぁ、まぁ。さ、恭たん、説明を始めてくれ」
恭弥がトンファーを出すも、戯言遣いは淡々とスルーして説明を求める。
「・・・はぁ。じゃあ、説明するよ。・・・あれは、5ヶ月前くらいのことだった」