雪ノ中 紅イ薔薇

□黒ノ型
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「許さない。勝手に死ぬな、お前は総長なんだ。勝手に死ぬなんて、俺が許さない…」

「……ハル」
「お前が死んだら、俺も死ぬ。きっと皆も死ぬと思う」
「まさか、」

「オマエの存在がどれだけ大きかったか! オマエが理解してないだけだろッ!!」

珍しくハルが声を荒げた。

「ルティがいた日々は地獄だったんだ。毎日毎日、誰が死んでいくか怯えてた! そして朝になれば、誰かがいない!」

「……ルティ、が…」

「オマエが来て生活は変わった。現に今、死者は減り、より多くの世界を助けることが出来ている」

ハルは掴んでいた手をスルリと離した。

「…忘れるな。オマエが死ぬことは、皆が死ぬのと同じなんだ。オマエの命は誰よりも大事なんだ」

そう言って、ハルは走り去っていく。

「………忘れられねぇよ。俺が死んでも、また生まれ変わり、記憶は引き継がれる」


カナタは目を閉じ、また開いた。



「でも、どうせ俺は世界に咲く一輪の紅イ薔薇でしかねぇんだよ。例えどんな地位につこうと…」














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