雪ノ中 紅イ薔薇

□捌ノ型
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カナタはそう言って、残虐刀を取り出した。
その刀身を確かめると、傷一つない。

「怖いな。二年以上は使ってるのに傷一つない」
「あの時、ハルの刀は砕け散ったけどね」
「は?」
「……俺の刀は時間がたてば修復可能だ」

だから心配するなってか。
回りくどいんだよ、オマエは;

「そうだ。ルティってやっぱ評判悪いのか?」

その話をするとハルが目を見開いた。
俺からその話になるとは考えてもいなかっただろう。

「アイツは人を護るとか言っておきながら、自分の思い通りにいかないと殺す極悪人だよ」

「…ハルは血がダメなんだって、アイツが言ってたけどどうなんだ?」
「………自分が斬ったりして出た血は平気だ…」
「え、何その体質…」

シズクが一歩、ハルから遠ざかる。
それをハルは睨み、また視線を戻した。







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