雪ノ中 紅イ薔薇
□漆ノ型
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「………はぁ」
「何回言ってもダメだよ。ちゃんと寝ててね」
「………」
ハルはその頃、きっちりシズクの監視下にいた。
寝ている状態でも頭がぐらぐらする。
だが眠りにつくことも出来ずに、ただ横たわっているだけだった。
「…多分、さ。ハル、魔力浴びすぎたから症状が酷いんだよ」
「………魔力を浴びる…?」
「カナタの魔力がハルの魔力と融合ささって、拒絶反応を起こしたりとか……」
「………有り得ない」
「ゴ、ゴメン…;」
ハルはゆっくり目を閉じた。
「………カナタは?」
「ゆっくり休んでるよ」
「……そうか」
カナタは大丈夫。
だから俺も休んで、早く体調を良くしよう。
でないと、起きた時にカナタが酷く責任を感じるだろうから――
「あ。ハル寝てる……。人がいる状況で寝るなんて、昔のハルじゃ有り得なかったのに…;」
†