雪ノ中 紅イ薔薇
□弐ノ型
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「雨…?」
その頃、ノヴィアルトディアンには雨が降っていた。
「珍しいな…。女神様が泣いているのかな?」
ノアがふざけながらも言う。
「……涙、か」
確かに、この雨は誰かの涙のように思えた。
「じゃぁ、カナタ。まずは零段階の解放を訓練付けよう」
「……零ノ型…零酷刀!」
残虐刀は姿を変え、零酷刀へと変化する。
「っ……」
「行くよッ!」
「くっ…!」
魔力の消耗が激しい中、ノアは攻撃をしてくる。
俺は辛うじて、ノアの刀を受け止めた。
刀身が鈍く鳴り、また二人は遠のく。
「はぁ……、はぁ……」
「ほら、行くよ…?」
ノアは間髪居れずに飛びついてくる。
俺はそれに合わせ、刀を振り翳す。
キィィィン!
「っ!」
「なっ?!」
その衝撃で、押し負けたのはなぜかノアだった。
「…はぁ…はぁ…ッ」
「凄いね、カナタ。やっぱり君は強いよ…ッ!」
「はッ!」
また刀身が勢いよくぶつかる。
だが衝撃ではカナタが勝つものの、力は大人のノアが勝っている。
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