雪ノ中 紅イ薔薇
□弐ノ型
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「総長。次の生命大使、候補はどうするのですか?」
蒼い髪の少女が王座に向かって言う。
「……暫し、様子を見よう。いい“素材”がいる」
王座に座る人物はそう言い、目の前の水晶を見た。
その中にはカナタが格闘場でノアの説明を聞いている。
「貴方様は自分の息子を、どうなさるつもりですか?!」
「精々、利用するつもりだよ」
「…失礼します」
蒼い少女はそのまま部屋を出て、壁に拳を叩きつける。
「息子を利用するなんて、酷いよ…。アイツが生命大使の頂点でいいはずがない…」
少女は唇を強くかみ締めた。
「(その為にはカナタが必要なんだよ…。早く力をつけて、実の父親を倒して…!)」
つぅ、と少女から一筋の涙が流れた。
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