雪ノ中 紅イ薔薇
□黒ノ型
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「カナタ」
学園に設けられた草原。
そこにカナタは寝ていた。
「ハルか」
ハルは黙って隣に座る。
「…いい天気だよな。ホントにココは過ごしやすい」
「……良かったのか?」
「何が」
「オマエの願いは、あれで良かったのかって」
その質問に俺は黙り込む。
そしてゆっくり立ち上がった。
「きっとあの二人を生き返らせても、状況は変わらなかったと思う」
「……カナタ」
「まぁ、どうせ俺が死んで総長の座が降りたときに誰かが生き返らせてくれれば良いんだ」
「…俺が許さない」
「ハル?」
スッ、とハルが立ち上がり、カナタの胸元を掴み鋭く睨んだ。
†