雪ノ中 紅イ薔薇
□漆ノ型
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「起きないね」
あれから二日後。
カナタはずっと深い眠りについている。
あの時、咄嗟にハルがカナタの刀を弾いたため建物の損傷はそれほど酷くはなかった。
――前言撤回。
みんながいた四階から屋上の六階は全壊。
三階は半壊、二階は罅が入る程度。
無事なのは一階だけだった;
ハルが弾かなかったら、ココ(廃墟ノ箱庭)は全壊していただろう――。
だがそのハルも無事ではなくて。
あの魔力を直に受けたため、そのまま衝撃で壁に叩きつけられたのだ。
今は目覚めているものの、まだ不安定で歩こうとすると直ぐに倒れてしまう。
†