雪ノ中 紅イ薔薇
□紅ノ型
3ページ/5ページ
「くっ…」
魔力に耐えながらも、皆は立つ。
そして次第に静まる部屋の向こう。
「…終わったの…?」
「……カナタッ!」
ハルは冷静を失い、そのまま扉を開けた。
そこにいたのは倒れ伏すルティと、
「カナタァっ!!」
泣きながらもしっかり立っていたカナタだった。
「…あっけないな。オマエ」
カナタはルティにそう言う。
するとルティは残された力を振り絞って言った。
――殺したのが君でよかった。
「……ぅ、ああああぁぁぁぁぁッ!!!」
カナタは膝を付いて叫んだ。
それは悲しみからか喜びからか、それとも他の思いからかは誰もわからなかった――
†