雪ノ中 紅イ薔薇

□伍ノ型
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「カナタ」

そこで王座にいた人物が俺に声を掛ける。
そいつの方を見るが、顔はフードで隠されているために見えない。

「オマエが、二人を殺したのか…ッ?」

「そうだ。…カナタ、君はもっと強くなる。そのためには二人が邪魔だったのだ」

「だから、殺したってのかよ…」
「仕方ないことだ」
「しかたねぇだと…? ふざけんなッ!」

俺は涙目になりながらも叫んだ。

「コイツらは俺が生命大使になれるって、すげぇ喜んでた! まるで自分の子供を見るようにッ!」

「……」

「なのにッ、二人が邪魔だ…? 俺は二人の支えが合ってココまで来たんだ! テメェにごたごた言われる筋合いはねぇんだよ!!」

王座にいる男は黙って俺を見ていた。

「……ハル君を部屋で寝せなさい。ハル君は血が苦手なのだ」
「…言われなくても休ませる」

俺は黙ってハルを背負った。
体格も同じくらいだから問題はない。

「ノアとレインを殺した恨み…絶対、晴らす……ッ」











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