SD長編夢

□第3話
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陵南高校との練習試合当日。



「行くぞ。」



『ちょっと待ってぇ〜』



玄関の扉を開けた楓に急かされながら、私は最後の持ち物チェックをする。



「っあぁっ、部屋の鍵っ」



早速忘れ物をしそうになる私に呆れたのか、楓は先に外に出る。



ちゃんと早起きしたのにも関わらず、朝シャンだ化粧だとバタバタしている内に時間が経ってしまったのだ。



階段を駆け降りて外へ出ると、すでに自転車に跨がった楓が欠伸をしていた。



『っよしっ!ゴー!』



楓の後ろに飛び乗って、いつの間にかすっかり大きくなったその背を叩くと、楓は自転車を漕ぎ出した。



『楓、間に合いそう?』



不安になって尋ねる。



「よゆー」



…たぶん、と呟いてもう一つ大きな欠伸をした。



『ていうか、みんなと行かなくて良かったの?』



って、私が陵南の場所知らないせいなんだけど、今更ながらきいてみる。



「なんてことねぇよ。」



『…ならいいんだけど…陵南って強いんでしょ?勝てそう?』



「よゆー」



いつものトーンでそう言う楓が、なんだかおかしくてつい笑ってしまえば。



「…なに?」



『ん、相変わらず負けず嫌いだなと思ってさ。』



「たりめーよ。」



ちょっと不服そうな楓に、またしても笑ってしまった。




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