SD長編夢
□第2話
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―――カランカラン
『いらっ――あ、おかえり!今戸締まりしてくから、先に上行ってて〜』
あれからしばらく経ち、すっかり日が落ちた頃、慣れた様子で店の扉を開けた楓は促されるままに店の2階にある私の自宅に上がって行った。
あの再会から幾日も経たずに、私たちはまた親しくするようになった。
と言っても、楓は毎日部活や自主練で朝早くから夜までバスケ漬けだし、私は初めてのお店とあって、慣れない経営業務で忙しくしていたから、会うのは専らその後で、学校から楓の家までの道のりの途中にある私の家でだった。
しかも、楓のご両親は仕事柄出張が多く、家に帰っても誰もいないから、私の家でご飯を食べて、そのまま泊まって…まぁ、入り浸っている状態だ。
私も一人でいるよりは全然いいので、ちょくちょく疎かになりがちな楓の勉強をみてやりもする。
『っおっと…』
時計を見て、もうすぐ9時になるのを確認して、私は2階へと急いだ。
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