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□Alles Gute zum Gebrtstag!
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「バッカだなー」

「ああ、正真正銘のバカだお前って奴は!」

昼休み。
石田が一人で食べたいからと水色の誘いを断り、今日は石田を除いたメンバーで昼食。

「ム…俺もそう思うぞ一護」

皆からバカ呼ばわりされ、挙げ句啓吾に額をペットボトルで小突かれた一護はさすがに反省の色が見えていた。

「恋人の誕生日も忘れるなんて最低だよ」

水色の言葉が突き刺さる。

「すぐ謝ればいいのにテンパって石田くんのこと放置だしさ、そりゃ機嫌だって悪くなるよね」

ぐさぐさと躊躇なく指摘する水色に啓吾はおろおろ。

「み、水色 その辺にしといてやった方が…」

「なに甘やかしてんの啓吾、こういうことはハッキリ言わないと」

じゃあ聞くけどさ、と水色は箸で一護を指す。

「一護は石田くんのこと本当に大切だと思ってる?」

「………っ!」

今まで俯き加減だった一護が顔を勢いよく上げた。
その眼に迷いはない。

「あのよ、言い訳がましいとは思うけど聞いてくれねえか?」

一護の口許に耳を寄せた3人は、放たれた理由に次第にしょっぱい顔になっていく。

「しょうもねえ…!」

「くだらな…」

わっ、と両手で顔を覆う啓吾に白い目の水色。しかも一護とかなりの距離をとっている。
茶渡はどんなリアクションをすればいいのか解らず困惑しまくっていた。

「だから俺言いたくなかったんだよ!こうなるって予想してたから!!」

真っ赤になって喚く一護を軽くあしらう水色。

「ほら行くよチャド、啓吾」

「一護、お前は女子かっ!!」

空になったペットボトルを投げつけ啓吾は叫ぶ。
一護は床に突っ伏したまま動こうとしない。

「置いてくよ浅野さーん」

「敬語イヤー!!」

慌てて水色の後を追いかけていった啓吾を最後に、屋上には一護だけ取り残された。

「……しょうがねえだろ 誰だってああなるっつうの」

不服そうに呟き一護も屋上を後にした。
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